徳島大学の環境衛生工学研究室,社会リスク工学研究室のメンバーが日々のできごとをつづる奮闘記. どこの学生よりもアグレッシブにパワフルに生きている日々の生活をどんどん紹介していきます☆ 環境衛生工学研究室,社会リスク工学研究室とは・・・・ 自然環境に与える影響を少なくし,快適な社会環境をつくりあげることを目的として,地震津波災害のリスク評価,生態系の機能の評価手法,内湾性水域における環境修復技術,等の研究を行っている研究室です!(マリンコラボ@上月研究室)
2013年3月3日日曜日
アサリを頂きに行きました
きれいな空を見たいから
蛭子神社の津波の石碑
「まだまだ蒲生干潟の環境は不安定」(12月24日)
◆仙台市・仙台市科学館,長島さん,佐藤さん
本科学館では蒲生干潟の環境回復の経緯をモニタリングされています.下記のURLに 月1回,調査内容を報告されているので,ご覧下さい.最新号では,アサリが回復し,多数の個体が確認されていることがあります.アサリの 研究をしている者としてはうれしいですね.
http://www.kagakukan.sendai-c.ed.jp/news3/gamoh_01.html
さて,この博物館を初めて訪ねたのは,今年3月 でしたが,被災当初から地形が大きく変化してきて,一時は蒲生干潟の閉鎖度が高まり,塩分が50psuにもなったことがあったそうです.またヨシの回復がまだまだだそうで,それに依存する生物の加入ももう少しあ とになるようです.
地形,底質,植物の定着といった3つの要素が大きく変化,作用しながら干潟の環境が整っていくのを見ているよ うです.私にとっては,蒲生干潟は生態系工学の発祥の地とも言えるところなのですが,今回も,『何かがわかることに対する応答』がみえる という点でも大変貴重な場になったと言えます.
学芸の方々は中学教師で,出向でこちらに赴任されているのだそうで,長期間ここにいることはできないので,調 査の継続性も危ういと言っておられましたが,是非とも干潟環境が安定するまで,モニタリングを継続していただきたいと思いました.
また,震災前にデータをとっておき,事前事後で環境の変化を比較できるようにしておくことの大切さを何度も指 摘されました.最後に,干潟に人が帰ってきて欲しいとも言っておられました.津波によって人が海や干潟に来なくなったらしいです.たまた ま私が持っていた「あさり姫」(竹筒であさりを育てる浜辺での環境学習プログラム)のプレゼン資料を紹介すると,大変よろこんできただ き,こちらでも是非やってみたいと行っていただきました.そんなことでも交流が始まれば嬉しいと思いました.
「若い人によるまちづくり起業を支援したい」(12月23日)
◆南三陸町・歌津中学校前校長・阿部友昭さん
阿部さんは,震災当時,歌津中学校の校長先生をされていました.
特に当時,小学校の児童たちに避難を呼びかけて,命を救ったという話には驚きました.
「中学の下にある町立伊里前小学校の校庭にいた児童と教職員に「中学校まで上がれ」と声をかけた。その後、同 中の生徒らとともに、即座に高台に避難。その直後に襲った津波で、同小は1階が浸水した」
http://blog.goo.ne.jp/jp280/e/d592b8d157fa65e4e5003a8788b7a60c
震災前から,小学校の地盤は低いので,地震の後には津波が来るので,中学校まで避難しなさいと,小学校の教師 に言っていたそうです.そんな備えが,多くの児童の命を救ったとのです.
他にも,当時の状況,避難所運営などの苦労については次のブログに詳しくあります.
http://www.manabinoba.com/search/index.cfm?criteria=%E9%98%BF%E9%83%A8%E5%8F%8B%E6%98%AD
私たちは,まちのこれからのことを伺いに行ったのですが,その中で印象に残ったのは,「これからのまちづくり は,元に戻したいという考えではなく,若い人の発想で新しい街を作って欲しいということ」でした.若い人が街から出て行くと,残るのは年 金生活者だけとなって,街は衰退する.若い人には,コネ,カネがないが,それを我々年寄りがサポートして,新しい職業を創って欲しい.
阿部さんは,そんな想いで,「歌津MTBド リームプロジェクト」を支援されています.
これからは,奢りか高ぶらず,自然の循環になるべく逆らわないように行きたいともおっしゃっておられました. 歌津岬から尾崎神社を案内いただき,この足元まで津波は来たけど,神社は流されなかった.神社は昔から流されないところにあるんだね.と 話をされていましたが,帰って調べるとそんなことがTBS報道特集のニュース,書籍になっていました.そんなことがあるんですね.
http://blog.livedoor.jp/amenohimoharenohimo/archives/65760478.html
書籍:『神社は警告する─古代から伝わる津波のメッセージ』講談社,高世仁, 吉 田和史, 熊谷航
「地域振興として持続的な交流の仕組みをつくる」(12月23日)
◆南三陸町・南三陸復興ダコの会・阿部忠義さん2(入谷公民館館長
現在,入谷YES工 房(http://ms-octopus.jp/about/index.html) では,25名ほどの人を雇用して,タコ事業を進められています.阿部さんは,震災直後に工房を建てられた地域の人を雇用 するという当初の目標は終え,次は,地域振興策としての本プロジェクトを「うまくまわす仕組みづくり」の整備に力を入れていきたいと言わ れていました.それは,定住人口の現象は避けられないが,その減少分のマイナスを交流人口で補っていくためのものでもあるようです.
仕組みの概要は,これまでは,「大変でしたね」,「はい頑張ります」という支援をいただいていたが,以後の目 標はこちらからもサービスを提供し,互いがWinWinの関係になれること.それには,『シンプル』,『見える』,『成果が感じられる』,『わかりやすい』などと いったコミュニケーションが必要で,そのために『タコ』の事業があるのだそうです.