2012年12月12日水曜日

環境衛生工学研究室(H24年度の美土利会会報に掲載したものに写真を載せました)

 皆 様におかれましてはますますご清栄のこととお喜び申し上げます。また平素より研究室の運営などに多大な支援をいただきありがとうございま す。本研究室からの昨年度の卒修了生は、4年生が7名、大学院前期課程が4名、 後期課程はゼロでした。前期課程の学生の一人には、韓国からの留学生の金君がおります。彼は9月末に修士論文を提出し、無事DDコースを修了しました。現在は、4年 生4名、大学院前期課程10名、 後期課程6名、合計20名 の学生が配属されています。

次 に,この1年間での研究面のトピックスを二,三紹介します.詳細は研究室のHPにありますので,是非ご覧下さい.楽しい学生によるページもあります.

 

そ の1

井若君は,博士後期課程に在籍する学生ですが,現在彼は自主防災 活動で全国的に有名な徳島県県南にある美波町に住民票を移し,そこで町民となりながら研究を行っています.彼の研究課題は,事前復興とま ちづくり計画とを併せた,「美波町での事前復興まちづくり計画に関する研究」です.これは地震津波の被災レベルを復興できる程度にするた めに,まちづくり計画の中に防災計画を織り込もうというものです."明るい未来のまちづくりの途中に,地震津波に被災するということも考 えましょう"ということで,具体的には,地域で防災を考慮したまちづくり計画を立案してもらいたいと考えています.そのような議論を通し て,避難,発災後の復旧,復興が,まちの発展には不可欠であることが理解され,具体的な防災が進むと思っています.実際には,少子高齢 化,過疎が進み,かつ巨大災害が想定される中で,議論を進めることは容易ではありませんが,地域が持続可能であるためには,本取り組みこ そが基本になると考えています.なお,これまでまちづくりの分野では,地域に住み込んで調査研究をするということはありましたが,防災の 分野でこのような取り組みは,他に聞いたことはなく,先駆的な取り組みとして,専門家,行政や地域の皆さんにはその成果が待たれていま す.

 

そ の2

尼 崎〜西宮地区の研究については,まず西宮市・御前浜の実験では.アサリが無酸素に暴露されると後遺障害を負い,ろ水障害,さらに死亡して いことを初めて明らかにすることができました.この成果は,松重さんがEMECS9(ボルチモア)で発表し,英文誌(Estuarine, Coastal and Shelf Science)に投稿,採択されました.

写 真2 自作のアサリの紙芝居で御前浜の環境問題を楽 しく伝える松重さん

写真3  大阪湾湾奥の御前浜では青潮が発生します.これぞ青潮!といった色.(10/19

 

そ の3

尼 崎運河では,山中先生から報告があると思いますが,世界初のエコシステム式水質浄化施設が設置されました.研究室発の『環境でモノづく り』が一つ増えました.ここに,子どもたちをはじめ,多くの人が環境を学びに訪れるようになりました.

 


写真
4 尼崎運河に設置された水質浄化施設

 

そ の4

尼 崎港の研究では,従来より,『尼海への恩返し』というタイトルで,海と街との間での物質循環を創出するということに取り組んできました. それが今年初めて,尼崎の過剰な栄養を生物として取り上げ,堆肥利用,作物栽培,食する,そしてエネルギーへという循環を創ることができ ました.恐らく,海から,ここまで完全な環を創った事例は,他にはないと思っています.特筆すべきことは,尼崎市立成良中学校・ネイ チャークラブ,兵庫県立小田高校の生徒の皆さんと一緒に取り組むことができ,喜びを共有できたことです.なお,成良中学校のこのような環 境学習の活動は,H24年度のコカ・コーラ環境教育賞で大賞受賞などと内外で高く評価されています.またてんぷら油は最後に,バイオ ディーゼル車の燃料になりました.この車,てんぷら油で世界一周をした車で,製作者は山田周生さんです.是非,ブログをご覧ください.

 http://biodieseladventure.com/japanese/menu/profile.html


写真
5 尼崎の海の汚れから始まった物質循環が一巡した

 

そ の5

 H24年度の同窓会が,1024日に開催されました.懇話会では,防災をテーマに,光原先生,美波町の小坂さん,浜さんに来ていただきまし た.光原先生には,ITを使った避難支援システムの開発研究の状況を,美波町の両名には地域での事前復興まちづくりの進捗について教 えていただきました.多くの質疑もあり,大変勉強になりました.また村上先生と,10名ほどのOBも 参加して懇親会が「活魚水産」で催されました.

 

写 真6 浜さんの講話

写 真8 山口奈津美さんの音頭で万歳ニ唱?でした

写 真7 集合写真,最後に撮ったのでみんなご機嫌な顔になっています.

 

今 後とも,地域の環境保全,防災に尽力する次第ですので,変わらずご指導,ご鞭撻のほど,よろしくお願い申し上げます.

 

文責 上月康則 H24.12.13

2012年12月9日日曜日

同窓会、懇話会を行いました

懇話会には、光原先生から避難訓練支援IT 、美波町から小坂さん、浜さんから話題提供を頂きました。具体的な事前復興の取り組みと苦労話を聞いて、大変勉強になりました。

懇親会では、久しぶりに村上先生にお会いできて良かったです。

地域再生人材創出講座

12月9日、上勝で講座が開催され、上月も、地域再生における地域資源価値とESDに見る教育ツーリズムと題して、話をしました。尼崎と上勝とで交流して学びの旅をすれば、互いの課題が克服され、持続的可能性が高まると考えてます。
他にも、佐藤さんの話、溜本さんのカミカツーリスト、中岡先生の上勝修学旅行の話がありました。
講師の話もよく、いい講座でした。
昼食は石本商店でカレー。レトロな食堂でおいしい食事でした。

沖楽会、環境フォーラムlll

12月8日、国際自然大学校代表理事の佐藤初雄さんに来て頂き、環境フォーラムを開催しました。沖楽会のメンバーは、それぞれに「なぜ、私は環境学習をしているのか?」について発表をしてもらいました。いつも一緒に活動してますが、その動機など以外と知らないことも多く愉しく、勉強する時間を過ごしました。
佐藤さんには、作成中の自然体験活動推進(仮称)、そして、新しい体験活動指導者制度CONE について紹介、解説して頂きました。法制化されることで、自然体験活動の社会的位置付けが明確になります。同時に安全に活動できる技術を習得する教育プログラムが整備されます。
これから社会に「自然体験活動」が社会デビューです。

夜は新町川守る会の船上レストラン?で、アカアシエビ、ハゲ鍋と刺身、美味しいお酒、大塚さんが持ってきてくれたチーズで、楽しい夜外活動となりました。