2013年2月12日火曜日

「安全→安心→油断の問題はとっても深刻」宮古市鍬ケ崎地区・元宮古市職員・吉水誠さん(12月21日)

元宮古市職員の吉水誠さんに改めて田老地区周辺をご案内いただいた.
その中で驚いたのが,田老地区の南に位置する鍬ケ崎地区での話です.

ここは,防潮堤などの津波防災施設のない地域だが住民が自ら津波を学び,避難の問題・課題を考えて避難行動に移すことができるような自主防災力の向上に日々励んでいたという.その結果,今回の津波では住民110人のうち避難により109人が助かったという.
一方の田老地区では,世界最高レベルの防潮堤を整備していたが,人口4434人のうち200人近い死者・行方不明者を出した.

整備する時は,安全度を高めることが目的で,必ずしも万全の備えでは無いのは承知のはずなのに,「安全」が「安心」に,さらに「油断」につながった.過度な安心が油断にならないように気を付けないといけないが,誰がそれをチェックしていくのか?自主防災というけれどこの問題は根が深くて,社会の中でもっと議論が必要だと思いました.
なお,今年度の「ぼうさい甲子園」グランプリに当地区の鍬ケ崎小学校が選ばれたと先日,報道されていました.また後日,聞いた話では,平成22年度に鍬ケ崎小学生作成した「津波防災避難マップ」は,地域住民に配る直前に東日本大震災が発生したそうですが,その活動を通して避難することを学んだんだと思います.

以上のことを紹介する記事がありました.
http://blogs.yahoo.co.jp/kishouzyouhou/folder/132331.html

しかし,その一方で,その復興は面倒なことになっているようです.復興では防潮堤を整備すること,その時の今次津波高さは,新防潮堤より10cm低いので高台移転事業は不可ということだそうです.高台移転を希望する住民も多いとのことです.その後もウォッチしたいと思います.
http://blog.goo.ne.jp/traum2011/e/c961a4dacca541ef6dd2f8a7bdeabff3

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